【実践コラム】保証付き融資リスケジュール時の注意点


…リスケジュールの実行時には追加で保証料がかかります

リスケジュールの依頼に対して、せっかく金融機関から了承を得たにも関わらず、信用保証協会の追加保証料が用意できないためにリスケジュールが実行できない・・・というケースがあります。

保証料とは、企業が銀行から融資を受ける際に、信用保証協会に保証をしてもらう対価として支払う費用です。保証料は、企業の経営状況や保証制度によって異なりますが、概ね保証金額の0.5%~2%程度です。

保証料は保険料ではない点にも注意が必要です。企業が銀行に支払いできなくなった場合、信用保証協会は、企業の代わりに残債を銀行に支払いますが、これで借入が帳消しになる訳ではありません。信用保証協会は、銀行に支払った金額を企業側に請求します。

また、保証料は利息と違って、借入時に借入期間分の全額を一括で支払うのが一般的です。(分割支払い制度もあります。)一括払いですので高額になりますが、借入時は融資金から差し引かれますので、支払いに苦労することはないはずです。

保証料は、融資残高に保証料率をかけて計算します。リスケジュールで1年間返済をストップした場合、当初の約定どおりに融資残高は減っていきませんので、リスケジュールの実行時に保証料を再計算すると追加保証料が発生します。借入残高によっては、100万円単位になることもあります。

仮に高額の保証料を支払ったとしても、そのまま約定どおりに返済するより、リスケジュールをした方が資金繰りは楽になります。銀行からは承諾が取れているのに、目先の保証料が用意できないためにリスケジュールができないのは残念です。

会社や店舗をやめる時にもお金がかかるように、保証付き融資をリスケジュールするときにも追加で保証料がかかります。資金繰りが厳しいと感じたら、ぎりぎりまで粘るのではなく、余裕を持ってアクションを起こすことをおすすめします。