【実践コラム】リスケ中の資金調達について


…新規融資を受けられる要件は、いくら返済しているかではなく、キャッシュフローがどれだけ回復しているかです

先日いただいたご相談です。
リスケジュールをしているが、仕入資金の支払いができないため、新たな融資を受けたいとのことです。
詳しい状況は以下となります。

  • ある認定支援機関の指導のもと、昨年リスケジュールを実行した。その際、経営改善計画策定支援補助金を受けた。
  • 現状利益は出ていないが、コストカットを中心とした経営改善策を実行し、現状の売上高を維持できれば利益を出せる目途が立っている。しかし、現状の売上高を維持するためには今回の仕入が必要。
  • よって認定支援機関に新たな資金調達を相談したが、「リスケジュールで仕事は終わっている。」と断られた。
  • 仕方なく別の認定支援機関を頼ったところ、「返済が0円では良くないので少しでも返済をした方が良い。」とのアドバイスを受けた。アドバイスに従い毎月30万円ずつ返済を開始したが、仕入資金の調達に関しては、「金融機関への申し出はご自身で行ってください。」と急に言われた。既に別の認定支援機関で補助金を受けていることが分かったからではないか。
  • どのように対処すべきか分からないまま時間が過ぎ、いよいよ今月末に支払期限が迫ってしまった・・・

社長の側からだけのお話しですので真相は分かりませんが、大変気の毒な状況です。

まず、経営改善計画策定支援事業はリスケジュールを実行するだけが仕事ではありません。リスケジュール実行後のフォローアップも含んでいます。リスケジュールを実行すると、新たな融資を受けることが困難になりますので、むしろフォローアップの方が重要です。弊所では、リスケジュール実行後も、資金繰り状況を注視しながら、可能な限りのフォローをしています。
具体的には、保証協会の借入をリスケしているお客様に対して、日本政策金融公庫からの資金調達をお手伝いしたり、担保の解除と売却資金の一部利用などを、金融機関にご納得いただいたりしています。

次に、リスケジュールをするならば、弊所では、返済額は原則0円にすることを提案しています。少しでも返済した方が金融機関の心象が良いのは当然です。しかし、一旦リスケジュールを行うと、新規の融資を受けることは困難になります。融資を受けられないのであれば、手元資金を厚くし、自己防衛をしなくてはなりません。できもしない約束をして倒産する方が、よほど金融機関に迷惑をかけます。

また、少しでも返済をした方が、融資が受けやすくなるというのは明らかに違います。元々100万円を返済していた企業が30万円だけ返済したところで、新たな融資をしようという動機になるはずがありません。新たな融資を受けられるかどうかは、その後のキャッシュフローの回復次第です。十分にキャッシュフローが回復すれば、それまでの返済が0円であっても新規融資を受けることは可能です。企業の存続に関わる話です。
決して間違えないようにしてください。

今回は残念ながらご相談いただいた時期が遅すぎました。キャッシュフローの回復が十分ではありませんので、新規融資を受けるのは困難です。まずは返済を止め、更なるコストカットや仕入先との交渉が、生き延びるための現実的な手段です。誤った情報に振り回されて、大切な資金と時間を失わないように気をつけてください。