【実践コラム】連帯保証について


…当事者として正しい知識を持つことは大切です

「次はこちらに社長個人のサインをお願いします。」

多くの枚数の融資契約書類に調印する際に、事務的に銀行の担当者から発せられる言葉です。
「契約書を読むから少し待ってくれ。」と言って契約書を熟読したところで、「印鑑を押す。」という結果は変わらないため、殆どの経営者様は流れ作業に乗ってサインします。

これまで、あまり意識せずに保証人になってきた経営者様も多いと思います。当事者として、保証について正しい知識を持つことは大切ですので、これを機会に、保証について理解を深められてはいかがでしょうか。

まず、「保証人」と「連帯保証人」は違います。融資を受ける際に求められるのは、殆どが「連帯保証人」ですが、多くの経営者様は、「保証人」という認識の方が多いと感じます。

■ 連帯保証人とは(ウィキペディアより引用)
連帯保証人には、催告の抗弁権と検索の抗弁権はなく、事実上債務者と全く同じ義務を負う。連帯保証人であれば、主債務者とほぼ同等の地位となるため、主債務者がどのような状況であっても、債権者は連帯保証人にいきなり支払いを求めることが可能になる。一般に、貸金での保証人となることは、自分が借りたことと同等である、といわれるのはこのためである。ただし、債権者は、連帯保証契約の締結に際して、保証額、債務者の経済状況、連帯保証人の数、返済の見込み等の重要事項を連帯保証人に説明する義務があり、たとえば主債務者の経営状態が破綻寸前であれば、それを連帯保証人に通知しなければならない。これを怠ると不実の告知に当たり連帯保証契約は無効となる。(引用終わり)

ウィキペディアの解説にもある通り、連帯保証人は債務者とほぼ同等の地位です。何かあった時に、「まずは債務者から精一杯回収するのが筋だろう。」と言えるのが保証人ですが、連帯保証人は債務者と同等ですので、債務者の状況がどうであれ、返済に応じなくてはなりません。

しかし、近年では、厳しすぎる連帯保証制度が、経営者の事業意欲を阻害しているとして、一定の条件を満たせば、連帯保証を取らないよう政府主導で進めています。現場レベルでは、まだまだ浸透しておりませんが、実際に連帯保証を外した事例もでております。是非、ご相談ください。