【経営コラム】社長の仕事は変化への対応・会社を進化させることです。


…事業計画の本質は数値の羅列ではありません。
何を行ってどう変化させるかです。

■四十年前、街の商店街は人波であふれていました。大半のお店は活況で、経営もうまくいっていたはずです。店主の方々は、同世代のサラリーマンより優雅に暮らしていたように思います。
車社会の到来は、大型のショッピングセンターの大量出店と相まって、多くの商店街からにぎわいを奪いました。時代を謳歌した大型店も、カテゴリーキラーや小商圏に高密度で出店するコンビニエンスストアーに、その勢力を奪われました。再編を行い、規模の利益を追求することでその勢力を何とか維持しているように見えます。そのコンビニエンスストアーも、業態の見直しに必死です。高齢化社会を見据えて、調剤薬局との複合店を始めたり、セルフコーヒーを売りだしたり、日々変化を遂げています。一方、ネットショッピング各社が、大きく業績を伸ばしています。流通業界は、激変しました。さらに、変化し続けています。

■今年生まれた子供たちが就職する業種の半分は、今は無い業種だと言われています。

二十年後には、今の業種の半分が無くなり(または、大きく形を変え)、半分が新たに生まれるとの仮説です。流通業界の変遷を見ていると、オーバーな仮説ではないように思えます。流通業界だけではありません。その他の業界でも、同じ事が起きています。これからも起こります。

■ダーウィンの進化論『この世に生き残る生き物は、最も強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。』を思い出します。
(※注記;この言葉を、ダーウィン自身が言葉にしたかどうかについては、見解が分かれているようです。)
変化に対応できることが、生き残れる企業の条件なのでしょう。

■変化への対応とは何か?

何か新しい事、何かすごいものを創り出そう…こう考えてしまうと行き詰ります。
発明家のトーマス・エジソンは『完璧だと思っても、もうひと押しすれば、おまけが手に入る』との言葉を残しておられます。この言葉には、大きなヒントがありそうです。さらに成長しようと考える時、人は全く異次元の新しいものに飛びついてしまいがちです。そうではなく、今あるものをより良くしなさい、一歩となりを探しなさい、とおっしゃっているように思います。

■今の商品やサービスを『もうひと押し』してみましょう。

絞り込み(単純化)と高付加価値化、アッパーニッチ戦略が有望です。

○今ある商品やサービスに改善・改良を加えましょう。
・改良を施して完成度を上げましょう。
・より良い原料を使って、高品質化を図りましょう。
・高価格帯に挑戦しましょう。

○今ある商品やサービスを絞り込みましょう。
・余分な機能を除いて単純化することも検討してください。

○今ある商品やサービスに、何か機能を付加しましょう。
・便利な機能を付加してみましょう。

○顧客ターゲットを絞り込んだ、新しい商品やサービスを開発しましょう。
・よりニッチなターゲットに限定してみましょう。

○特定の顧客をターゲットにした、新しい商品やサービスを開発しましょう。
・新しいニッチマーケットを狙ってみましょう。

■大きな変化は、日々の改善・改良の延長線上にあります。

○毎日毎日『もうひと押し』を考え続けましょう。
○時々小さな改良点が見つかります。改良しましょう。
○これを続けていると、一年単位では相当大きな変化が起きているはずです。
○三年・五年・十年の計でみると、とんでもない大変化になっています。

■変化を実感する企業経営を、意識して実行しましょう。

○会社のビフォーアフターを確認してください。
・三年前の経営と、今年の経営を比較してください。
・今年の年初の経営と、今年の年末の経営を比較してください。何がどう変化していますか?整理してください。
・今年の年末と、来年の年末はどう変える予定ですか?
・今に対して、三年後はどう変える予定ですか?具体的に何をどう変えますか?整理してください。

◎事業計画の本質は数値の羅列ではありません。何を行ってどう変化させるかです。

繰り返しますが…

○『この世に生き残る生き物は、最も強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ。』(ダーウィンの進化論)

○『完璧だと思っても、もうひと押しすれば、おまけが手に入る』(発明家のトーマス・エジソン)

偉人の名言を記憶に留めた上で、社長の仕事〔変化への対応・会社を進化させること〕に励みましょう。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。