【実践コラム】年商18百万円の飲食店経営者が12百万円の新店舗出店資金を調達した事例


…中小企業にこそ財務部長がいれば重宝します

営業が深夜に及ぶ飲食店経営者にとって新店舗出店に伴う銀行対応は非常に大変です。個人事業主として飲食店を経営するW氏が、2店舗目出店資金1,200万円を調達した事例をご紹介します。

■ 関与先様の概要
事業主名:W氏
業種:飲食店経営
業歴:創業4年目
直近年商:1,800万円

■ ご相談の経緯
弊所関与先であるW氏より、「2店舗目の出店を考えているが、毎日深夜まで現場に入っており、銀行対応の時間が取れないので、資金調達のサポートをお願いしたい。」との依頼がありました。

■ 必要調達金額の算出
W氏が想定している出店費用と、必要と思われる運転資金の額、可能と思われる借入額をすり合わせていった結果、備品を含む設備投資金額が1,300万円、運転資金が300万円、合計1,600万円の資金が必要であることが分かりました。調達は自己資金が400万円ですので、残り1,200万円を金融機関から借入れなくてはなりません。

■ 調達先の選定
W氏の直近年商は1,800万円です。新店舗出店資金とはいえ、1,200万円の借入は若干重たいと感じます。よって、1行からの調達ではなく2行に分けて調達をすることにしました。協調融資です。

■ 開業計画書の作成
W氏と打ち合わせた内容を基に開業計画書を作成しました。事業主の概要に始まり、投資及び調達の計画、資金繰り計画等、金融機関の審査ポイントを押さえた計画書です。

■ 調達先の選定
今回は協調融資ですので、弊所が日ごろから懇意にしている日本政策金融公庫とA信用金庫に相談することにしました。日本政策金融公庫と信用金庫の担当者、及び弊所にて合同ミーティングを行い、日本政策金融公庫が900万円、A信用金庫が
300万円の融資を検討するという方向で決まりました。

最終結果は、ミーティングで取り決めたとおり、日本政策金融公庫で900万円、A信用金庫で300万円、満額1,200万円の調達ができました。W氏からは、「金額がやや大きかったので心配していたのですが、やはりプロですね。2行を巻き込んで協調で融資を受けるというアイデアは私にはありません。
1行に申し込んで融資額を減額されていたら、投資計画から見直さなければならないところでした。また、銀行対応の殆どを引き受けていただけたので、私は店舗営業に専念できました。」
とのお言葉を頂戴しました。

現場に時間を取られる中小企業経営者にこそ、本来は財務部長が必要だと思います