【経営コラム】創業者様相談事例(その1)


〔Q&A〕その1:個人創業か法人での創業か?資本金は?
〔Q&A〕その2:共同経営の可否?
〔Q&A〕その3:どんな事業での創業が良いか?

創業者様からの相談に対する〔Q&A〕
を整理します。経営は百社百様です。
故に、これが正解でこれは間違いなど
と断定するつもりはありませんが、それでもある程度の方向性をお示しすることはできます。
以下、ご確認ください。

■〔Q&A〕その1:個人創業か法人での創業か?資本金は?

●(創業予定者A氏)
『とりあえず、個人事業でスタートしようと考えています。法人化して事業を始めるのと、個人事業者としてスタートを切るのと違いはありますか?』

◎(当事務所担当者)
『想定される取引先はどのような先ですか?』

●(創業予定者A氏)
『小規模から中堅の食品メーカー様を想定しています。』

◎(当事務所担当者)
『できるなら法人の方が良いですね。敢えて個人事業でスタートするメリットも見当たりません。個人事業者より法人の方が取引しやすい場合があります。逆はありません。』
※コメント:
個人事業者との取引を嫌う取引先はありますが、個人事業者でなければならないとする取引先はありません。可能なら法人化して起業してください。

◎(当事務所担当者)
『準備できる自己資金はいくらありますか?』

●(創業予定者A氏)
『600万円ぐらい準備できます。』

◎(当事務所担当者)
『であるなら、500万円の資本金で株式会社を設立してはいかがですか?資本金は大きい方が良いです。その後の資金調達にも有利です。無理に膨らます必要はありませんが、準備できる資金があるなら、活用してください。』

●(創業予定者A氏)
『当面の生活費はどうするのですか?』

◎(当事務所担当者)
『設立した会社から役員報酬として、必要分を常識の範囲内でもらってください。』
…つづく

■〔Q&A〕その2:共同経営の可否?

●(創業予定者B氏)
『友人と共同で会社を立ち上げようと考えています。100万円ずつ3人で出し合って資本金300万円の会社を作る予定です。一方、このような関係が上手くいくのか心配してくれる方もいます。どうお考えですか?』

◎(当事務所担当者)
『3人はどんな力関係ですか?3人とも対等なのか?リーダー的な誰かがおられるのか?』

●(創業予定者B氏)
『3人とも対等の友人です。半年ぐらい前に知り合って、意気投合しました。対等にやっていこうと話しています。』

◎(当事務所担当者)
『水を差すようで恐縮ですが、一般論として近い将来意見が合わなくなる可能性が小さくないことをご理解ください。判断が割れた時に、誰の判断を正とするのか、多数決で行くのか、また、判断は「YES」か「NO」だけではなく、程度加減を伴う
ことが大半です。想像してください。』

●(創業予定者B氏)
『確かにそうですね。どうすればよいですか?』

◎(当事務所担当者)
『何が正解かはわかりません。このような方法でうまくやっておられる方々もおられます。ただ、上手くいかない確率が低くないということです。例えば、3人ともが別々に会社を作って、協力して進めることから始められたらどうですか?また、3社間の取引については、できるだけルールを決めておいた方が良いですね。』
…つづく

■〔Q&A〕その3:どんな事業での創業が良いか?

●(創業予定者C氏)
『創業の準備を始めています。一年後を目安に創業します。事業構想中です。意見を聞かせてください。』

◎(当事務所担当者)
『経歴を詳しく教えてください。』

●(創業予定者C氏)
『約20年間食品卸に関する業務に取り組んできました。…略』

◎(当事務所担当者)
『これだけのキャリアを積んでおられるのであれば、過去の経歴の延長で考えることがまず基本です。この分野の中で、自分自身が得意な分野、市場が伸びている分野に集中して考えてみてください。また、この分野での人脈も整理してください。』
※まったく新しい分野で起業して成功される方も少なくありません。ただ、過去の経験の延長線上で起業される方が、より成功確率は高くなります。

…つづく

次回号につづきます。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。