【経営コラム】単純(Simple)で高収益(Profitable)な経営をお願いします。


…経営の判断基準は何か?永遠のテーマです。

本年度の経営指針を確認してください。

大変不透明な時代が続きます。
経済や政治動向などを正確に予測できる人はいません。それだけ世の中が複雑で難解な時代になってしまったのでしょうか。
一方、それらの動きに一喜一憂するよりも、自社の経営について、しっかりと考え続けましょう。
本年も、皆さま方のお役に立てそうな情報を提供させていただきます。
少しでも、貴社の経営に役立てば幸いです。

年初に当たって、もう一度、経営の基本指針について言及させていただきます。一つの考え方としてご確認ください。

◆1.単純(Simple)な経営を目指してください。
…分散してはいけません。複雑にしてはいけません。絞り込んで単純に仕上げてください。

ビジネスモデルはできるだけ単純にしましょう。事業体の仕組み自体も単純になります。集中できて強くなります。業務が効率的になり、ミスも減ります。高品質のサービス・商品を生み出し、高い収益力を持つことができます。分散と複雑化は、経営における諸悪の根源です。

◆2.高収益(Profitable)な企業作りを目指してください。
…安売りは絶対にNGです。経営の難易度を著しく高め、かつ、創造力を奪います。

売れた時には、大きな利益を出せる収益構造を当初から設計しましょう。高めの粗利益率の設定、高めの値付けを心掛けてください。値決めを外すなら高めに外してください。ビジネスとして完成した時点での営業利益率は20%以上で設計してください。安売り戦略は、経営の難易度を高め、事業体の創造力を奪い去る原因になります。

◆3.手持ち資金を潤沢(Ample)に維持してください。
…資金余力は企業経営の余裕代、時間を提供してくれます。財務機能を持ってください。

資金は可能な限り潤沢に持ち続けましょう。借入れの金利負担よりも、資金に困るリスクの方がはるかに深刻であることを認識してください。また、借入れのタイミングは、自社が資金を必要とするタイミング(借り手の都合)ではなく、金融機関が融資できるタイミング(貸し手の論理)に沿うことが重要です。
総じて貸し手の方が強いからです。資金余力がもたらす経営者の心の余裕と、増加分の金利負担を、天秤にかけて比較してください。

◆4.変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体を維持してください。
…計画のずれを想定した経営を行ってください。

計画(売上の達成)が遅れることを想定しながら経営してください。「コントロールできない売上を、コントロールできる売上以外の経費の執行で調整する」、これが経営管理です。経費の執行をワンテンポ遅らせる…これが不透明な時代に、企業体力が十分でない事業体が選択すべき経営のコツです。また、遅れを許容するための資金余力を持てる財務戦略が重要です。

◆5.経営判断を明確(Clearly)にしてください。
…感覚に頼らず、数字を基準にした論理的な経営を行ってください。

曖昧な経営判断、お人好しな対応を止めましょう。経営は、感覚や概念ではなく、数字で管理してください。感覚や概念を基準に考えると、判断が曖昧になりがちです。数字基準での判断は、その判断の精度を各段に向上させます。経営が締まります。

経営の判断基準は何か?永遠のテーマです。経営の判断基準は無限にあります。逆にも真あり、敢えて真逆を攻めることで成功することもあります。それでも、王道をお薦めいたします。
王道とは、多くの偉人が語り続けた経営の道です。上記の方針は、偉人が語る経営の道に近似しているはずです。当然です、偉人の言葉を借りているからです。経営者の皆さま方が、理詰めで考えて、腑に落ちた部分については、今後の指針として、深く、深く…心に刻んでください。

上記の5つの指針【SP経営5大指針】を前提にして、以下の事柄に取り組んでください。

◆6.事業立地の確認・見直しを行ってください。

事業の収益性を決める要素はたくさんありますが、最も重要なのは、事業立地(ポジショニング)を含むビジネスモデルであって、マネージメントやマーケティングではありません。
「STARの法則」(ダイレクト出版)の著者であるリチャード・コッチ氏は、その著書の中で『覚えておきたいのは、「一にも、二にも、三にも人」ではない。一貫してうまくいく有効な解答は、「一にも、二にも、三にもポジショニング」だ。』と明言されています。

◆7.ビジネスの型の確認・見直しを行ってください。

多くの中小企業は、事業の拡大を狙ってプロダクト型からストア型に移行する時に、その商品やサービスの幅を広げます。
しかし、その幅の拡大が売上の増大に比して大きいため、その生産性を著しく引き下げる結果を招きます。繁盛貧乏に陥ります。そして、この状態で停滞しています。『選択と集中』とは、ストア型をプロダクト型に戻すことです。プロダクト型の企業は、ストア型に移行せず、プラットフォームの構築を狙うべきとの持論を持っています。受注型はプロダクト型へ、ストア型もプロダクト型へ、プロダクト型はプラットフォームの構築を狙ってください。プラットフォームを構築できたら金融事業に参入しましょう。これが王道です。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。