【経営コラム】重要な経営法則(その8)

24.勝ち組企業は集中し、負け組企業は分散する(SP経営協会)
25.勝ち組企業と負け組企業の価格戦略は真逆です(SP経営協会)

…前回からのつづきです。

自社の経営をより良くするためには、今のビジネスモデルに新しいアイデアを付加することが一つの道です。そのためには、様々な経営の法則を一つでも多く頭に入れてください。
経営者として知っておくべき知見は星の数ほどありますが、ほんの一部を紹介します。

勝ち組企業は集中し、負け組企業は分散する。 (SP経営協会)

もう一度「集中・絞り込み度合い」を再考してください。成熟し過当競争状態にある日本のマーケットにおいては、勝ち組は集中し、負け組は分散しています。その原因は、自社顧客の定義の仕方に起因しています。自社の顧客をしっかりと決め込んで、その顧客のみの満足度を追及する施策を充実させてください。

◆勝ち組企業の絞り込み戦略は…

  • 「強みに特化した品揃えをする」との信念を持っています。
  • 「品揃えは少ない方がよい」と思っています。
  • 「必要な時間帯のみ営業する」との意思を持っています。
  • 「営業時間は短い方がよい」と思っています。
  • 「顧客の要望は選別して聞き入れよう」と考えています。

勝ち組企業は、適度な自己都合主義を貫いています。自社ができることをしっかり認識できています。得意なこと、取り組むべきことに特化して、それを求める顧客のみを自社の顧客と定義しています。限定した顧客に対して、優良なサービスを提供できています。
※適度な自己都合主義とは、本来の自社の顧客(マイノリティー)のみを対象にすることです。

◇負け組企業は分散しています。

  • 「できるだけ幅広く品揃えする方がよい」と考えています。
  • 「品揃えは多い方がよい」と思っています。
  • 「できるだけ長時間営業する」との意思を持っています。
  • 「営業時間は長い方がよい」と思っています。
  • 「顧客の要望はできるだけ受け入れよう」と考えています。

負け組企業は、過度な客指向主義に陥っています。自社ができること・なすべきこと、そして、そのサービスの提供相手である顧客の見極めが不十分です。戦略なきサービスの充実?は、底なしの過度な客指向を招き、自社の経営体としての疲弊を招きます。
※過度な客指向とは、本来自社の顧客でない対象(マジョリティー)にまで気を使うことです。

勝ち組企業と負け組企業の価格戦略は真逆です。(SP経営協会)

◆勝ち組企業の価格戦略は…

  • 「価格を売るための道具には使わない」との信念を持っています。
  • 「価格が安くても売れるわけではない」と思っています。
  • 「価格は、できるだけ高く設定すべき」と思っています。
  • 「(仮に)高すぎて売れないことが有っても仕方ない」と思っています。
  • 「薄利で売るよりも、売れない方がよい」と考えています。

※うまくいけば、たくさん売れて儲かる「繁盛高収益」の状態になれます。利益で次の投資ができ、さらなる成長を目指せます。うまくいかなければ、「閑散貧乏」の状態です。やり直せます。

◇負け組企業の価格戦略は…

  • 「価格(安売り)を売るための道具」だと思っています。
  • 「価格は安い方が売れる」と思っています。
  • 「価格は、できるだけ安めに設定するべき」と思っています。
  • 「価格が高すぎて売れない」ことを過度に嫌います。
  • 「売れないより、薄利でも売れた方がよい」と考えています。

※うまくいってたくさん売れても「繁盛貧乏」に陥ります。儲からないのに忙しい状態でバランスしてしまいます。後は頑張って・頑張り続けて…現状維持が関の山です。

価格に対する二つの潮流があります。モノやサービスを安く買おうとする潮流に巻き込まれることは得策ではありません。もう一つの潮流、「良いモノ・必要なモノが欲しい。対価は払う」に乗せましょう。気を付けてください。前者の潮流の方が目立っています。後者は静かに流れています。
もう一度「価格戦略=値決め」を再考してください。
「価格戦略=値決め」は、経営成績の良し悪しに甚大な影響を与えています。
勇気をもって「価格戦略=値決め」をご再考ください。ズバリ値上げを実行してください。