【実践コラム】飲食店新規出店資金の調達事例

…資金調達により事業が大きく伸びた事例を紹介します。

数百万円の資金を元手に行うビジネスより、数千万円の資金を元手に行うビジネスの方が、より大きなリターンを得ることができます。思い切った資金調達を行い、事業を拡大できた飲食店様の事例を紹介します。

下記A社は、
「もっと大きな店舗を経営したい。当社は最大どれぐらいの資金調達が可能なのか?」というご相談で来所されました。

会社名:A社(仮称)
事業内容:飲食店3店舗経営
営業年数:9年
資本金:300万円
直近売上高:6,400万円
経常利益:14万円
長期借入金:1,600万円
純資産:339万円

年商1,000万円のBARを2店舗、年商4,400万円のレストランを1店舗運営していましたが、経常利益は14万円と低い利益状況に苦しんでいました。社長様は、1,000万円規模の小規模店舗では利益が稼げないため、BAR2店舗を閉めて、出来るだけ大きな店舗を新たに1店舗出店したいと考えていました。

決算状況を分析した結果、返済原資となる簡易キャッシュフローは102万円と弱含み、また、売上高の25%の借り入れが既にあり、新規で調達を行うためには、事業計画書を丁寧に作りこむ必要がありました。

早速事業計画書の作成に取り掛かった結果、社長様がイメージしている年商5,000万円の店舗を出店するためには、2,000万円の借入が必須であると判明しました。目標調達額は2,000万円です。

A社の利益状況、財務状況から判断すると、2,000万円という目標額は簡単な金額ではありません。1金融機関に相談しても、「金額が大きすぎる。」と断られる可能性がありましたので、各金融機関の負担が軽くなる協調融資で調達することにしました。日本政策金融公庫さんと地域の信金さんにお声かけし、3者で協議を行った結果、下記のとおり、満額の資金を獲得することができました。

【資金調達内訳】
・日本政策金融公庫 1,000万円
・信金保証付融資 500万円
・信金プロパー融資 500万円

A社は、調達した資金で立地の良い場所に出店を行い、業績を順調に軌道に乗せることができました。
2店舗を閉めたにもかかわらず、翌期の決算では売上高が1億円を超え、約700万円の経常利益を計上しています。

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